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糖尿病(生活習慣病の王様!)

毎日の食事がおいしく食べられる、すなわち「食欲がある」ということは、健康であることの一つの証拠です。しかし、それも程度問題。あまりに「異常な食欲がある」ときには疑ってみなければいけない病気がいくつかあります。

食欲が亢進する病気

甲状腺機能亢進症

バセドウ病という名前でよく知られている病気です。この病気は、甲状腺ホルモンの働きが強すぎるために身体の新陳代謝が異常に亢進して、安静にしていてもカロリーを浪費してしまうので、食欲があってもりもり食べるのに、太らないでむしろやせてしまう病気です。

ヤケ食い症候群

心の病気のために、異常な食欲が出る場合があります。ストレスや欲求不満が引き金となって、食欲が亢進するケースで太り過ぎ(肥満症)の原因にもなります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

意外な話ですが、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの病気で胃の症状があるのに、異常な大食をする場合があります。胃酸過多によって起きる空腹時の胃の痛みなどの症状は、食事によって一時的に和らぐため、胃の調子が悪いのに大食をして、その結果、ますます胃の具合が悪くなるという悪循環を起こします。

糖尿病の早期発見は健診から

異常な食欲があるとき、疑ってみなければいけない病気の一つが糖尿病です。糖尿病は生活習慣病の王様です。

第2次世界大戦以前には、日本ではそれほど多い病気ではなかったものが、昭和30年頃から急速に増加傾向を示し、現在では700万人近くの糖尿病患者がおり、糖尿病患者の予備軍的な人を加えると千数百万人になるものと考えられています。

どんなときに糖尿病が強く疑われるか、下記の表でチェックしてみてください。
「Yes」が多いほど糖尿病度が高くなります。

糖尿病度チェック

  1. 血縁に糖尿病の人がいる
  2. 運動不足で、太っている
  3. のどが渇いて水分をたくさん飲む
  4. 尿の回数も量も多い
  5. 太っていたのに、急にやせた
  6. 発疹がないのに皮膚がかゆい
  7. “おでき”ができやすい
  8. 目がかすんだり、視力が落ちたりした
  9. 異常に食欲があってたくさん食べる
  10. だるくて、疲れる

糖尿病は、その名のとおり、尿に糖(尿糖)が出る病気ですが、その根本は血液の中の糖(血糖)が高くなりすぎることに起因しています。血糖が高くなりすぎる理由は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの作用不足によりますが他の因子の関与も考えられています。

糖尿病は、1型(インスリン依存型)糖尿病と2型(インスリン非依存型)糖尿病の2つに分類されます。

1型糖尿病は、以前若年性糖尿病と呼ばれていたもので、遺伝的背景が少なく、免疫関係の異常が指摘されています。

2型糖尿病は成人性糖尿病と呼ばれるもので、頻度も圧倒的に多く、表のチェックの対象も2型糖尿病が中心です。

糖尿病は、遺伝的要因にプラスアルファの因子が加わって発症すると考えられています。最大の因子は、食べすぎ、運動不足による肥満です。その他としては、過剰なストレス、妊娠、ある種の薬剤、慢性感染症などがあげられます。

典型的な糖尿病では、のどが渇き、水をたくさん飲み、食欲も異常に進みます。尿の回数も量も増え、太っていた人が急にやせて、全身がだるくなります。皮膚がかゆい、ピリピリする、化膿しやすいなどの症状もでます。

初期の糖尿病は、まったく無症状だといってよいので、チェックに一つも当てはまらなくても、糖尿病ではないということはいえません。糖尿病は、定期健康診断や人間ドックなどを受けることによって、初めて発見される病気だと考えてよいと思います。

糖尿病は血糖値が高くなりすぎる病気ですから、血糖値を調べることが糖尿病の診断の決め手になります。血糖値は食事摂取との関連で変動しますが、どの時間帯でも200㎎/dl以上、早期空腹時で126㎎/dl以上、75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間値で200㎎/dl以上の血糖値がいずれかで確認された場合に、糖尿病型と判定し、さらにいくつかの検査を追加して、糖尿病の確定診断がつけられます。

糖尿病は、全身にいろいろな合併症を引き起こすことが問題です。腎臓障害、心筋梗塞、眼底出血(失明)、脳卒中など、重大な病気の原因となります。糖尿病と診断されたら、医師の指導のもとに、徹底的に治療する必要があります。

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