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甲状腺機能低下症(原因がわかれば一挙に解決!)

甲状腺機能検査を

定期健康診断などで、血液中のコレステロールが高値であること(高コレステロール血症)を指摘されたことのある人は非常に多いと思います。誰もが知っているように、高コレステロール血症に代表される「高脂血症」は、動脈硬化を起こす原因となります。

とくに、高血圧症、糖尿病、肥満症、高脂血症の4つがそろうと、「死の4重奏」などと言って、注意されることになります。そんなわけで、コレステロールが高いと、「さあ大変だ」ということで、すぐにコレステロールを下げる薬剤に飛びつく人があります。

しかし、その前に一度、甲状腺機能の検査を受けておくことをお勧めします。

高コレステロール血症を伴う病気の代表として、甲状腺機能低下症があるからです。

甲状腺機能低下症の症状はむくみが特徴

甲状腺は、前頸部で気管の両側に位置して、左右の葉部と左右をつなぐ峡部からなる蝶形の20gほどの小さな臓器です。身体の発育や新陳代謝に関係ある甲状腺ホルモンを分泌する内分泌腺の1つです。

甲状腺の病気では、甲状腺機能が亢進する病気「バセドウ病」が有名です。それに対して、「甲状腺機能低下症」はそれほどまれな病気ではないのですが、病気がゆるやかに進行することと症状が他の病気や状態にもよくみられるものが多いことから、気づかずに見逃されてしまう可能性の高い病気です。

まずは、下記の表で、甲状腺機能低下症ではどんな症状が出るかチェックしてみてください。
「Yes」が多いほど甲状腺機能低下症高くなります。

甲状腺機能低下症度チェック

  1. 全身がだるく、疲れやすい
  2. 全身がむくむ
  3. 無気力で、何をするのも億劫だ
  4. 話し方がゆっくりで、まだるっこしい
  5. 寒がりになった
  6. 汗の出かたが少ない
  7. 眉毛の外側3分の1に脱毛がある
  8. 皮膚が冷たくて乾燥している
  9. あまり食べないのに体重が増える
  10. 血液中のコレステロールが高値である

全身のむくみを認める病気には、心臓の病気、腎層の病気、肝臓の病気などがありますが、甲状腺機能低下症も、その代表的な病気の一つです。甲状腺機能低下症のむくみは、指で押しても「凹まないむくみ」であることが特徴です。

全身にむくみが認められますが、とくに腫れぼったい顔、眠そうな目、それに加えて表情の乏しい顔つきが特徴的です。だるい、疲れやすい、気力がない、まだるっこしい話し方などから、他の病気(腎臓病、うつ病、なまけ病など)と間違えられることがあります。

夏でも汗の出かたが少なく、寒がりの傾向があるのも特徴的です。皮膚の症状として、皮膚が冷たくて、乾燥しています。脱毛がみられることがありますが、とくに眉毛の外側3分の1の部分の脱毛があれば、甲状腺機能低下症が強く疑われる特徴的な症状です。

あまり食べないのに、全身のむくみのために体重が増加するのを、太ったと思って気がつかない人がいます。

最初に述べたように、甲状腺機能低下症では、血液中のコレステロールが増加します。定期健康診断などで、コレステロール高値を指摘された場合には、一度甲状腺機能の検査を受けておくことをお勧めします。

血液検査の異常という意味では、甲状腺機能低下症が原因で、貧血症が起きることがあります。甲状腺機能低下症が見逃されやすい病気であることも重なって、貧血症の原因がなかなかわからないで治療にてこずってしまうケースも見られます。

原因のよくわからない慢性の「貧血症」がある場合にも、甲状腺機能低下症を疑う必要があります。

甲状腺機能低下症は、甲状腺の機能(働き)が文字どおり低下したために起きる病気で、その原因となる病気としては、自己免疫性慢性甲状腺炎(橋本病)が最も多いとされています。甲状腺機能低下症は、診断がついて、きちんと治療すれば非常に良くなる病気です。ところが他の病気と間違われて、甲状腺機能低下症の診断がつかないと、なかなか良くならない病気です。

甲状腺機能低下症を疑う症状があれば、すぐにかかりつけ医に相談してください。場合によっては、専門医への受診が必要です。

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