電話でのご予約・お問い合わせ

TEL:03-3666-2212

肝臓病(沈黙の臓器があぶない!)

胃もたれの原因

「胃がもたれる」という症状があるときに、第1に考える病気は当然のことながら胃の病気です。胃の病気の中で一番こわいのは、胃がんと胃潰瘍ですが、一番多いのは、いわゆる胃炎と呼ばれる症状だと思います。

胃炎の症状は、いずれもごくありふれた症状です。そのなかで、胃(みずおちの辺)が痛いという症状は、文字どおり代表的胃炎の症状ですが、実は胃以外の病気でも出ることがあります。

例えば、胆石症、膵炎、虫垂炎の初期などで、胃が痛いという症状が出ます。意外と見落とされやすいのですが、狭心症、心筋梗塞などの心臓の病気でも、胃が痛いという症状が出ることがあります。

胃の病気以外の病気で「胃のもたれ」という症状が見られることがあります。その代表が肝臓の病気です。

肝臓病は血液検査で発見される

肝臓は右上腹部で肋骨に隠れる位置にあります。人間の内臓の中で最も大きな臓器で、およそ1500gの重さがあり、精密化学工場のような働きをしています。経口的に消化管に入った物質は、栄養物であろうと有害物であろうと、胃や腸から吸収されると、すべて門脈という血管を経由して肝臓に運ばれ、この精密化学工場で処理されます。

どんな症状があったら肝臓の病気を疑うかを下記の表でチェックしてみてください。
「Yes」が多いほど肝臓病度が高くなります。

肝臓病度チェック

  1. 食欲がない
  2. 吐き気があってむかむかする
  3. アルコールに弱くなった
  4. 胃がもたれる
  5. だるくて、疲れやすく、気力がない
  6. 尿の色が茶褐色である
  7. 黄疸がある(白目が黄色い)
  8. 皮膚が黒ずんできた
  9. 手のひらが赤い
  10. 胸やくびに小さい血管拡張がある

実を言うと、肝臓は「沈黙の臓器」とも言われ、少々のことでは自覚症状が出ないことが多いのです。したがって、表のチェックにあげた症状は、急性の肝臓病の症状か、ある程度進行した肝臓病の症状と考えてください。

胃のもたれとか、食欲不振とか、吐き気とか、まるで胃の病気のような症状が見られるのが特徴的です。

だるさ、疲れ、気力の減退、アルコールに弱くなるなどの症状は、肝臓の精密化学工場としての機能が低下したための症状と考えられます。尿の色の変化、黄疸の出現などは急性の肝臓病の症状として重要です。皮膚の黒ずみ、、手のひらが赤い、血管拡張などは慢性の肝臓病(肝硬変症など)の症状です。

沈黙の臓器と言われる肝臓の病気を発見する方法として、第1にあげられるのは血液検査です。肝臓が精密化学工場の役目をしていることから、その機能の低下を血液の変化としてとらえることができます。むしろ肝臓の病気は血液検査で発見されると言っても言い過ぎではないと思います。

次に、肝臓という臓器に起こる形態的な病変を発見する方法として、超音波診断、CT検査、MRI検査などがあります。このような検査によって発見される肝臓の病気は数多くありますが、代表的なものにウイルス性肝炎があります。

A型肝炎

ウイルスに汚染された食物、飲料水による経口感染で、急性肝炎として発症します。発熱を伴い、全身倦怠感、胃のもたれ、食欲低下、悪心、嘔吐などの症状があり、尿の色の変化、黄疸の発現などがあります。

B型肝炎

血液を介して感染します。「急性」と「慢性」があります。急性の場合は、A型肝炎と同じような症状が出ますが、慢性の場合は、無症状に経過することが多いようです。

感染経路として、「垂直感染」といって出産時に母親から感染する場合や、「水平感染」といわれる輸血などによるものが問題とされましたが、現在はこれらのケースはありません。今、急性B型肝炎として発症するもののほとんどは性行為に伴う感染となっています。

C型肝炎

血液を介して感染し、急性と慢性の両者があることもB型肝炎と同じです。感染力はB型より弱いとされていますが、実際には過去の輸血、血液製剤などによる感染で日本人の中に数百万人のC型肝炎ウイルスキャリアがいるといわれ、肝硬変症、肝臓がんへの移行が問題になっています。

症状チェック一覧に戻る